▼2009年08月12日
(株)メディアファクトリー 三原飛雄馬さん
いま、子供たちの世界はえらいことになっています。
DSで地球の裏側にいる人とポケモンの交換をしたり
ネット上で出会った同志がパーティを組んでRPGをクリアしていく時代。
昔じゃ考えられなかった遊びが当たり前になって
だんだんと、虚構と現実世界の境目がなくなっているのです。
そんな中、海外では虚構と現実が入り混ざる
「ARG(Alternative Reality Games)」
というプロモーションを兼ねた遊びが大流行しています。
「ARG」とは、WEBを使った「体験型のミステリーゲーム」のこと。
自分が主人公になって、殺人事件の謎を解いたり、
悪の組織に立ち向かったりして、物語を進めていくことが出来るんです。
今回のココロザシ勝手に応援団は、日本ではじめてARGの商品をつくり
子供だけじゃなく、大人も夢中にさせるARGをどんどん企てている
株式会社メディアファクトリーの三原さんにお話を伺いました。
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ちびっこ達の
笑顔のために。
吉:はじめまして。勝手に応援団の吉村です。
三:はじめまして。メディアファクトリー商品企画事業部の三原です。
吉:三原さんは「謎とき」を軸に、子供たちがわくわくするような
商品を色々と企画されていますよね。
そもそも何故、おもちゃ等の企画のお仕事をしようと思われたんですか?
三:大学時代、ゲームイベントのスタッフをしていたときに
子供に泣かれちゃったことがあるんですよ。
こちらの準備が不十分で、遊ばせてあげられなくて。
その時、すごく悔しい気持ちになったんです。
こんなに本気で遊んでくれるんだから、
頑張らないと!って。
だから、もう二度と子供たちを泣かせないように
笑ってもらえるような楽しい遊び道具を作りたい!と
思ったのがきっかけですね。
吉:言われてみると、海外のARG事例は大人向けが多いけれど
三原さんが企画されるARGは、子供が楽しめるものが多いですね。
やはり、子供を喜ばせたい気持ちが強いんですね。
三:子供好きですからね~!
サンタクロースになりたかったんですよ、僕。
今でも徹夜が続いても、子供の笑顔を見ると
頑張んなきゃな、って思います。
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ゲームの中に自分が入って
主人公になれる遊びをつくりたい。
吉:三原さんがが最初にARGに興味を持った
きっかけって何だったんですか?
三:メディアファクトリーに来る前は、おもちゃの企画会社に勤めていて
世の中に実際にオバケがいると見立て、磁器センサーによって
オバケをキャッチして闘う「トレジャー・ガウスト」という商品を
開発していたんですよ。それで、嬉しいことにそれがヒットして、
ヒットの原因を自分なりに考えたときに 「虚構」と「現実」が
入り混じっているところにあるんじゃないかと思ったんです。
子供のころ、物語の主人公になりたいって思ったことありませんか?
吉:あります!あります!常に思ってました。
私は魔女の宅急便が好きだったから、毎日ほうきで飛ぶ練習をしてました。
でも飛べなくて。ほうきが駄目なんじゃないかと思ってましたね。
あとファイナルファンタジーの世界にも入りたかったなあ。
勇者になって、仲間集めて、悪に立ち向かっていきたかった。
三:まさにARGにはまっちゃうタイプですね(笑)
でも、子供ってみんな何かしらそんな夢を抱いているんだと思ったんです。
それで、実際に自分がゲームの世界に入り込んでしまえるような遊びを
もっと作りたい!と色々調べはじめて、
海外で話題になっていたARGに出会いました。
吉:海外のARGでは例えばどんなものがあったんですか?
三:当時海外で話題になっていたのが、 映画「A.I.」のプロモーションで行われた
『The beast』というARGです。
これが、世界ではじめてのARGと言われています。
世界的に有名なゲームデザイナーのジョーダン・ワイズマンさんという方が
仕掛け人なんですが、とにかくこれはすごい!
映画のスタッフクレジットの中に登場する
謎の科学者の名前を検索していくと
だんだんと、彼女がある人物の不可解な死について
調べているということがわかってくるんです。
それから、ユーザーはまるで自分が探偵になったかのように
その人物の死について調べていきます。
このプロモーションはユーザーが300万人を超え、
アメリカでは大ブームを巻き起こしました。
しかし、WEBサイトが英語で作られていて
つくりが複雑だったこともあり、日本では
ほとんど知られていなかったんです。これが残念で
日本でもARGをやりたい!と思って
企画書を作って会社にプレゼンしたんです。
だけど、結果はあえなく撃沈でした…。
当時は日本でARGを知っている人はほとんどいなかったため
企画が通るのはとても難しかったんです。
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国産初のARG!
『名探偵コナン カード探偵団』

吉:確かにARGは説明の仕方がすごく難しいですよね…。
その後企画は無事に通ったんですか?
三:いや、難しかったですよ。ARGなんて誰も知らないから。
でも諦めきれなくて、企画書を色んな人に見せたりしていました。
それを見て「うちで開発しないか?」と声をかけてくれたのが
メディアファクトリーの今の上司なんですよ。
吉:その方の声掛けがあったから、今の日本のARGが
あるのかもしれませんね。
上司さん、ありがとうございます…!
三:はい、そこからはがむしゃらにARG普及のために活動をはじめました。
まず、ARGを知らない人に説明するために海外の事例を集めて
さらに産学連携でARGを研究する
コンソーシアムの立ち上げをお手伝いしました。
そこではARGを研究されていた先生のゼミや、業種の違う企業と一緒に
日本人のメディアを利用する特徴やライフスタイルを考慮した
有効なARGの手法等を研究しています。
ARG商品の企画も必死で考えました。
こうして、日本初のARG商品として生まれたのが
『名探偵コナン カード探偵団』です。
※『名探偵コナン カード探偵団』とは…
日本初の謎解きARG商品。
カードのパズルを解いていくと、犯人から「これ以上探るな」という
メールが届いたり、偽装サイトやファミ通のインタビュー記事にも
ヒントが隠されていたりと、実際に自分が謎を解きながらストーリーを
進められる。海外のARGサイトにも取り上げられるなど、ネット上でも
大きな話題となった。
吉:名探偵コナンカード探偵団は、謎や自分が物語の中に引き込まれるよう
な仕組みもすごく考えられていると感じたのですが
ここはどうやって組み立てていったんですか?
三:沢山の人に協力してもらいました。
2ちゃんねるで、「あんたがたに挑戦」っていう
実際にリアル謎解きゲームをやっていた人たちに
「こんな企画やりたいんです」って話しをして、謎を一緒につくってもらったり
マジカル頭脳パワー等で謎を考えていた先生にさらにそれを
ブラッシュアップしてもらったり。
はじめての試みだったので、やっぱり時間はかかりましたが
ようやく実現することが出来ました。
実際に売り出されると、ネット上でも話題になって
子供だけでなく大人も盛り上がってくれました。
店頭で主婦の方がBOX買いしているのを見て、
確かな手ごたえを感じました。
吉:まさに国内のARGの知識が集結されているという印象でした。
海外のARGサイトにも取り上げられていましたよね!
第1弾の開発が終わった後は別の企画の立ち上げに
関わってらっしゃるんですよね?
三:コナンの第2弾以降は別のスタッフが頑張ってくれています。
現在、メディアファクトリーにはARGの開発チームがあり、
複数の企画が進行しているんです。
吉:最近は、物語の中に実際に自分が入りこんで
謎解きが出来る「ARG書籍」も出版されていますよね?
三:その本は「サーティーナイン・クルーズ」っていうんですけど
僕は実はある方にお願いされて出版しているんですよ。
その方のプライバシーもあるので、それ以上は…
真実は実際に本を手にとって、お確かめください。
吉:うわあ、悔しい。気になります。。。
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人と向き合うことが
いちばん面白い。
吉:ところで、ARGの面白さってどんなところにあると思われますか?
三: ARGの面白さは“蜂の巣構造”にあると言われています。
例えば、数学、ファッション、将棋等…
物語のなかには色んなパズルが用意されているんですよ。
1人では全てのパズルを解けない仕組みになっているんです。
数学のパズルのときは理系のお兄さんを呼んでこよう
ファッションの問題は女子高生に聞いてみよう、と自然と
プレイヤーの輪が蜂の巣状に広がっていって
色んなジャンルの人に勝手に広がっていくことになるんです。
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吉:確かに!ゲームの中だと、冒険のヒントを聞くために
歩く人に躊躇なく話しかけられるじゃないですか。
ARGはまさにそれがリアルで行われていて、話かけられた人が
さらにまた誰かに話しかけて、いつの間にかひとつの大きなチームが
出来上がっていくんですよね。
三:そうそう。ひとつの謎を元に、色んな会話が生まれるのも面白い。
地球上で一番面白い遊びは、人間とコミュニケーションをとることだと思います。
名探偵コナンカード探偵団のときも、ひとつの謎を解くために
Mixiのコミュニティで知らない人同士が情報交換したり、励ましあったり
していて、そこから実際にリアルの世界で繋がっていく人たちもいて。
みんながいきいきと楽しそうなのが、嬉しかったです。
これからも沢山の人を物語に巻き込む遊びを、どんどん作っていきたいです。
吉:うわ、楽しみです。
ゲームの世界に入りたくて、テレビに頭くっつけてみていたりした
子供時代の私だったら、即飛びつきますよ。
いや、いまでも飛びついていますけど。
現実世界で自分が物語を動かしていけるなんて、なんていい時代なんだ!
三:今はiphoneだったり、拡張現実だったり、インターネットのツールだったり
技術がどんどん変化していますから、これからさらに面白いARGが
現実世界に生まれてくると思いますよ。で、さらに今名探偵コナンカード探偵団
とかで思いっきり遊んだ子供たちが大人になったとき
僕らが考えもつかないようなARGが生まれていくんじゃないかなと思います。
僕の使命は、そうやって沢山の人が楽しめるARGを作れる人を増やして
いくことだと思っています。
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三原さんの「ARGを日本に広める!」という熱い想いが
ARGに興味を持っている色んな人を巻き込んで
日本でも紹介webが出来るなど、少しずつARGという言葉が
浸透していっているのではないでしょうか。
一体これから、どんな謎を私たちに仕掛けてくれるのでしょう。
応援団の2人としては、是非恋愛ARGを希望します!(笑)
三原さん、どうもありがとうございました!
【おまけ】
先ほど三原さんが言っていた「例の本」
こっそり詳細をお伺いしました。
<サーティーナイン・クルーズ>

※世界で最も強大な力を持ち、歴史を操ってきたケイヒル一族。
一族の力の秘密39の手がかり(サーティーナイン・クルーズ)に分けられ、
世界中に隠された。それを見つけだすのはあなたかもしれない。
世界を股にかけた謎解きレースに参加し、ライバルを打ち倒せ!
第一回謎解きコンテストに参加出来ます!
公式サイトに公開されている動画の中から4つの文字を探し出し、
導き出したキーワードが正しければ抽選で1万円が貰えるそう。
実施期間は2009年6月19日~12月31日。私も粛々と参加中です。
【今回ご紹介させていただいた、企業・商品】
三原さんが勤める会社
→株式会社メディアファクトリー
国産初のARG商品
→『名探偵コナン カード探偵団』
謎解きARG書籍
→『サーティナイン・クルーズ』
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「ココロザシ勝手に応援団!」にて、「名探偵コナン・カード探偵団」の企画者であるメディアファクトリーの三原飛雄馬氏のインタビュー内容...
カード探偵団の企画者・三原飛雄馬氏のインタビューを掲載【ARG JAPAN】at 2009年08月12日 16:00
この記事へのコメント
なるほどね!
カンフー映画とか見ると自分が強くなっているような気になってしまう事がよくありました。
ボクシングとか見てると一緒にパンチを繰り出している自分がいます。
(ちょっと違うか)
しかし、新しい事を形にしていくのって大変ですよね!
自分も今2016Exhibitionという企画展を運営していますが
いろんな人の協力が無いと出来なかったと思っています。
公式サイト
http://www.designservice.jp/2016/
ARGにはすごく興味あるけど集中してやる時間がない(涙)
カンフー映画とか見ると自分が強くなっているような気になってしまう事がよくありました。
ボクシングとか見てると一緒にパンチを繰り出している自分がいます。
(ちょっと違うか)
しかし、新しい事を形にしていくのって大変ですよね!
自分も今2016Exhibitionという企画展を運営していますが
いろんな人の協力が無いと出来なかったと思っています。
公式サイト
http://www.designservice.jp/2016/
ARGにはすごく興味あるけど集中してやる時間がない(涙)
Posted by 聖アキヤマ・おじさん・カズオ at 2009年08月12日 00:48
聖アキヤマ・おじさん・カズオさん
人の力の大きさ、何かをかたちにしていくときに
すごく感じます。
この、三原さんもそうなのですが
面白いことのフレームをつくって、それにどんどん人を
巻きこんでいける人ってほんとすごい。
秋山さんの企画も、関わっている人数の多さ
しっかりとつくられた企画、WEBを見て
きっと大変だったんだろうなあと思いました。
オリンピック、開催されてほしい!
竹尾で展覧会やるんですか?見にいけたらいいなあ。
ARGは、ゆっくりじっくりやっていきましょう◎
人の力の大きさ、何かをかたちにしていくときに
すごく感じます。
この、三原さんもそうなのですが
面白いことのフレームをつくって、それにどんどん人を
巻きこんでいける人ってほんとすごい。
秋山さんの企画も、関わっている人数の多さ
しっかりとつくられた企画、WEBを見て
きっと大変だったんだろうなあと思いました。
オリンピック、開催されてほしい!
竹尾で展覧会やるんですか?見にいけたらいいなあ。
ARGは、ゆっくりじっくりやっていきましょう◎
Posted by 吉村沙織 at 2009年08月19日 02:42




